いまさらですが

もう鏡開きもほとんどの地方でとっくに済み、成人の日を迎えているいまになってこんな話をするのもどうかと思いますが、去年の「紅白」の話をしたいと思います。いちおう、毎年触れている事柄なので。一日に4本しかバスが来ない田舎道にぽつんとある、「ベープ」のホーロー看板が壁に錆の縞模様をつくっているような古いパン屋のごとく来客の少ないブログとはいえ、それなりに欠かすべからざる習慣があるというわけです。


「紅白」は、ほぼ最初から最後まで見ました。
途中、ちょっと調べ物をしたり、やりかけだった仕事をキリのいいところまで片づけたり、年越しそばを茹でたりして、テレビの前を離れる時間がありはしましたが、チャンネルは一度も変えなかった。久しぶりに裏番組を見ずに過ごした大晦日の夜でした。
もっとも、そんなに「紅白」がおもしろかったかといえば、そうでもないです。初出場の新人が務めるのが恒例のトップバッターに、浜崎あゆみ布施明を持ってきた演出と、ベテラン以外の出場者の多くが、フルコーラスではなく、テレビサイズというのか、短縮バージョンで歌わされていたのが印象的だったくらいですかね。
お目当ての一つだったENYAは、まあ、致し方ないけれど口パク(生中継ですらなかったかも?)。ボーカルのテイクを何重にも重ねてああいう独自の荘厳で緻密な音楽世界を構築している人ですから、生歌を望むのは無理と理解していたものの、別の画期的な解決策を用意しているのではと期待していたので、その面ではがっかりしました。
Perfumeは『ポリリズム』より『Dream Fighter』が聞きたかったな。テクノのセンスを残しながらも、J-POPのメインストリームに近づけた「売るぞ!」という気概にあふれる一曲。なぜそっちを歌わせぬか。もっともNHKの意地もわかる。「PerfumeをCMに初めて起用したのはウチだもんね。『ポリリズム』もそれ用につくったんだかんね」っつうね。
羞恥心with PABOは、賑やかしに登場したヘキサゴン・メンバーが多すぎて、ごちゃごちゃしちゃいましたが、考えてみれば、去年までハロプロが一個師団を繰り出してあれ的なことをやっていたんだよな。ヲタではない一般の視聴者は「ごちゃごちゃしてんなー」と思いながら見ていたんでしょうね。初めて気持ちがわかった。

てな感じで。
つくづく遅ればせながらですが、今年もよろしく。