陽はまた昇りそうですか

「ヘキサゴン」で初披露された、アラジンの『陽は、また昇る』。
サラリーマンの応援歌だとは聞いていましたが、本当にストレートすぎるくらいサラリーマンをヨイショする詞がなかなか楽しい。ほっぺたが痒くなるような、恥ずかしい感じのカタカナが使われていないのが好感持てる。まともな歌唱力の持ち主が、つるのと里田だけであるため、高度なスキルを要求する曲を与えられない弱点を逆手に取り、ラップだのハモリだの小細工を廃した、軽快でシンプルな、ファミリー受けするエンターテイメントソングになっています。
ああ、関係ないけど、週刊文春近田春夫が「日本のラップは相田みつをだ」と書いているのを読んで、膝をたたいて納得しつつ爆笑してしまいました。
Paboキャンディーズ、羞恥心が昔のジャニーズのパロディソングだとしたら、アラジンはなんだろう。本当のコンセプトはわからないが、ぼくが連想したのは「ヤング101」だな。
NHKのミュージカルバラエティ『ステージ101』から生まれた男女混合のボーカル&ダンスユニットで、番組のゲストの歌手といっしょに、シングアウト形式にアレンジされた曲を歌うのが主体だった覚えがある。早い話、番組のコーラス隊であるわけですが、自分たちのオリジナル曲も持っていた。『涙をこえて』はいまでも学校の合唱コンクールなんかでよく歌われるんじゃないですか。太田裕美谷山浩子、「ホントにホントにホントにホントにライオンだ」で有名な串田アキラらを輩出したユニットとしても知られています……といっても、活動期間は1970年代の初めの数年間なので、いま三十代後半より若い人は聞いたこともないでしょう。
南沙織天地真理小柳ルミ子の登場が1971年、キャンディーズ森昌子桜田淳子山口百恵の“花の中三トリオ”、麻丘めぐみのデビューが72〜73年頃ですから、アイドル歌謡が確立されたのと同時期に、このような“いかにもNHK的”と表現したくなるような健全なスタイルのコーラスグループが人気だったというのも、いま思うと不思議な気がします。




……なんて、さも「リアルタイムで見てきました」っぽく書きましたが、実はあんまり詳しくなかったりする。
いや、見ることは見てましたよ、『ステージ101』。でもねえ、南沙織が超ミニスカートから小麦色の太ももをさらけ出し『17才』を歌いながら目の前を横切ったわけですわ。色気づき始めたガキには、もうそっちしか見えない。ヤング101なんか、あっという間に眼中でなくなってしまった。太田裕美がもと101だというのも、あとになって知ったくらいです。シンシアのあの小麦色の太ももが、ぼくのすべてを変えてしまったんじゃないかと思います。