歴史は止まらない

きょうの昼間、チケットが届きました。音楽ガッタス……ではなく、ハロテン……でもなく、矢口の出演する舞台でもない。シカゴ/ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースですわ。
チケット代高かったですよ。ロートルとはいえ、大物2組のジョイントですからねえ。
シカゴは1967年の結成。ブラスロックの雄ですな。82年の『シカゴ16』ではデビッド・フォスターをプロデューサーに迎えて二度目の頂点を極める。ちなみにブラスロックというジャンルの括りは日本オリジナルらしく、その言い方を考えたとされる人と仕事をしたことがあります。音楽界の重鎮だということで、レコード会社の宣伝部の人たちが腫れ物を触るように接していたのが印象深い。しかしあれは、しょーもない仕事だったなー。口のうまい先輩ライターに巻き込まれる形で一年ほどつきあったが、二人がかりで売上げが月2万とかいう寒々しさ。邦楽の何割かしか売れない洋楽宣伝部の仕事だったんで、予算なかったんですわ。「いい加減にしろ。もっと考えて仕事取ってこい」と、上司に叱られたっけな。
ニュースは80年のデビューですが、その前に長い下積みがある。ヒューイ・ルイスとショーン・ホッパーは、のちにドゥービーブラザーズに加入するジョン・マクフィなどが在籍したクローバーというバンドで70年代から活動していたんです。ニック・ロウに気に入られ、イギリスで何枚かアルバムを発表したものの成功しなかった。ニュースを結成し、82年のセカンドアルバムが売れて、ようやくメジャーシーンに躍り出た。いつだったか、前座のブルース・ホーンスビーを引き連れて開催した来日公演、後楽園球場へ観にいきましたよ。
しかし90年代以降は、ともにヒットチャートを賑わすこともなく、というか新曲のレコーディングもほとんどやってないようです。
けれども、ライブを開催すれば、おおぜいのファンが駆けつける。失礼な言い方をすれば、過去に築いた富を原資にした年金で食っているようなものですが、ファンにとっては、存続してくれていることが何よりも重要だし、彼らの演奏が聴けるのはこのうえない幸せなのです。
モーニング娘。も、そういう存在になれるでしょうかね。シカゴやニュース、あるいはストーンズなんかもそうですが、オリジナルメンバーが残っていますけれど、娘はメンバーチェンジ前提のユニットだから、永遠に成熟することがない。ユニットは常にフレッシュで、ファンだけが歳を取っていくっつう構図は、20年30年というロングスパンで考えたとき、いいことなのか悪いことなのか、ちょっと判断がつきにくいですよねー。
音楽ガッタスが、吉澤や紺野ら、娘を卒業したメンバーが歌手活動を続けていくための受け皿であるという一面を持っているのは明らかですが、“卒メン”ヲタの思い入れを受け入れるためにも、音楽ガッタスの誕生が必然だったとすれば、じゃあ中澤や保田のヲタのためには何をしてくれるのと聞きたい気になってくる。それは決して“ファンのわがまま”ではないと思うんですけどね。