引くも人生 進むも人生

紺野が戻ってくるとなると、「ついでにみうなやあさみも……」という贅沢を要求したくなってしまいます。ガッタス限定の活動なら、何とかなるんじゃないの? 現に、みうなは練習に顔を出しているそうじゃないですか。練習に来られるなら試合にだって出られるでしょうよ。ダメかい?
そーいえば、いまや間違いなくハロプロでナンバーワンの売れっ子タレントになった里田の活躍を、ふたりはどんな気持ちで眺めているのかなあ。
とはいっても、お茶の間を抱腹絶倒させている里田の姿は、ふたりにとっては見慣れたものでしょうから、たいして関心もないかもね。
ふたりが引退のことについて事務所と話し合いを持ったのは、昨年の春だったという。里田が急にピンでテレビに出始めたのと、時期的に一致します。何らかの関連があると考えるほうが自然で、つまりは実質的にカントリーが解散状態となるため、ひとりで芸能界に残る里田の生き残り策を考え、布石を打っておく必要があったのだ、ということだと思います。
ずっと3人のままだったら、事務所はどんなふうにカントリーを売っていく気だったのか、部外者のぼくには一生知る機会はないだろうけれど、興味あるなあ。
決して不要な人材ではなかったと思うんだよ。モーニングのオーディションでは落としたけどカントリーに入れたのは、野球のドラフトでいえば外れ1位みたいな感じか。そんな子が2人もいるグループでしたからね。モーニングの出張所のような扱いをされたのが、結果的には不幸でした。あれでカントリーの知名度もアップすればよかったのでしょうが、世間は「石川や藤本、紺野のスピンオフ活動」としか見てくれなかった。モーニングのメンバーが引き上げ、さあカントリー単体でどうするってなったとき、何もできなかったのが痛い。里田はロマンスやシャッフルユニットがあったけど、とくに話題にもならないままその場限りで終わり、カントリーにはフィードバックできなかったし。
みうなが単独で行達也のラジオにゲスト出演し、コーナーまで持たせてもらう画期的な出来事もあったものの、番組が末期だった巡り合わせの悪さも手伝い、あとにはつながらなかった。
ガッタスが現在まで継続しているのは、欠かさず練習に来ていた彼女たちのおかげという是永の指摘は正しいと思うが、カントリーの立場から見ると、あまり喜ばしくもないわな。暇だったということにほかならないからね。
そして、フットサルを通じて人間的な成長を遂げたあさみとみうなが、自分の人生の可能性を広い視野で考え始めた結果、引退という答えへ導かれたのだとしたら、何とも皮肉です。なまじ芸能ごと以外の仕事もやってみたい気持ちがあったため、トリガーが作動してしまったのかな。もちろん、それぞれの進む道は本人が決めることで、他人があーだこーだ言えるものではないですが。
保田も、モーニングを抜けたあと、ハロプロのコンサートにも出演せず、ずいぶん長い間ぶらぶらしていました。いまですら、決して売れっ子とはいえません。でも、保田は歌や芝居にしか関心がなく、いい意味で楽天家みたいだから、続けてこられたんだね。
ファンとしては、当然そのほうがうれしい。