背番号4からの置きみやげ

みうなノート』読みましたよん。
腰巻きのコピー「メゲてるキミのための魔法の薬」というのは、少々オーバーかな(笑)。常に悩んでいるし、克服したと思ったらまた壁にぶつかって凹んだりしている。読者に与えるカタルシスは少ないかもしれませんね。
でも、16歳の女の子がその後の3年あまりで、少しずつ精神的に成長していった、その足跡を読み取ることはできる。生き馬の目を抜く芸能界の厳しさに耐えるだけでもたいへんなのに、そのうえ、フットサルなんて、したいともできるとも思わないことまでやらされ、しばらくは本当につらかったようだ。逃げたいのに逃げられず、といって真剣に取り組むでもない、中途半端な姿勢を反省する一文が目立つ。やがて芸能人としてのプロ意識が目覚めてくるにつれて、どんどん悩みを深めていった様子も文面からうかがえる。
というより、この子は悩むのが好きなんだな。好きと言ったら語弊があるかもしれないが。いちいち立ち止まって悩むことで物事を消化していくタイプ。そうしないと、周囲のペースにぼんやり流されてしまって、気がついたら何も実になってない、みたいな。悩むことが自己管理の一貫なんだと思う。おっと、これはみうなではなくて、ぼくのことか。
残念なのは、彼女がよりステップアップしたと思われる2006年春以降の日記が欠けていること。「WEBサッカーマガジン」などで連載コラムを持ったためだろうか。
それと、本の趣旨には反するかもだが、伊部塁か伊藤亮、もしくはガッタスに詳しいサッカーライターでもいい、第三者から見たみうな像を伝える解説があってもよかった。次の『Sals』あたりでそれをやるつもりなのかもしれないけど……。
また、みうな自身による新規書き下ろしが、あとがきだけなのは少し寂しい。ちゃんとした文章が書ける子なのだから、書かせたらよかったのに。時間がなくても、みうななら400字×20枚くらいは書けたのではないだろうか。そのためにページ数が増えて定価が100円200円上がったって、ぼくは買うよ。