悲しいニュースには耳をふさぎ

なんということだ。吉澤、かわいそうに。
亡くなった弟さんは16歳。クルマを運転していた青年は20歳。二人とも、ようやく人生のスタートラインに立ったばかりの年頃ではないか。本当にやりきれない。


話を変えます。
『ヘキサゴンII』での里田は、「バカだけど、みんなのマドンナ」のような扱いを受けている。島田紳助がそのようにコントロールしているからですね。同じバカという括りでも、相手によって弄り方の色分けを変えているのが興味深い。
明石家さんまは、相手のトークをちょこちょこ押したり引っ張ったりしながら、最終的には自分の笑いへ変えていく。一方、紳助は直截に斬り込むような笑いの取り方をする。相手が誰とか、あまり関係なかったりする。自分の番組にメインとして君臨している感じは、紳助のほうが明らかにストレートに出ている(もっとも、出演者の立場からすれば、「何か返さないと」というプレッシャーを重く感じるのは、さんまのほうかもしれない)。
里田のひと言が、番組ラストのオチになることがたびたびあるけれど、あれも紳助のテクニックで言わされているように思う。その要求にある程度応えている里田もすごい。教養はほとんど皆無だけど(笑)頭の反射神経は鋭いという特性をたぶん紳助はもうわかっていて、振りを仕掛けてくるのでしょう。最近のバラドルは芸人的な笑いの感覚を備えている子が引っ張りだこで、計算でバカのふりをするのなんかお手のものだが、里田はそれとはちょっと資質が違うみたい。全力で答えて本気で間違っているし、不正解を宣告されたときの混乱した顔つきが、いまの時代に新鮮です。
姫扱いするのは、奇想天外な答えとの落差がおもしろいとか、セクシーな出で立ちをしていながら中身はぜんぜんセクシーじゃないのを見抜いていて、それを逆手に取っているとか、持ち上げておけば、あとで落とすときの笑いが大きいとか、口説きもどきのセリフをかけても、里田が本気で照れるので嫌らしくない画になるとか。えーと、よくわからないで言ってますよ。適当ですから鵜呑みにだけはしないでほしいですが、何か紳助的な計算があるのだと思います。
里田本人も慣れて自信めいたものが芽生えてきたのか、ラジオで「いただいたチャンスは活かして、飛躍の年にしたい」と語っておりました。
今月で独りになってしまうわけですしね、飛躍はぜひともしてもらいたいと、こちらもそう願うわけですけれども。