ガッタスと紺野

スフィアリーグの3rdステージを、スカパー739で視聴しました。
ファンタジスタ青谷優衣を久しぶりにちゃんと見ましたが、うまくなりましたねー。動きの質がもうすっかりフットボーラーです。去年のいまごろは身軽さと勘だけで走り回っているに過ぎない感じだったですが、その時点で「こいつはものになりそうだなあ」と思わせる雰囲気はあった。やっぱ、上達する子は最初から素質の片鱗を見せるってことでしょうか。


ガッタスみうなが、えらく足技使いになっていたという情報を目にしていたので、テレビ観戦でのいちばんの楽しみにしていました。見てみたら、確かにびっくりするくらいうまくなってたけど、すごいと言うより可愛いレベルだね。あれが、タテに切り裂く動きになってくると、恐いプレーヤーになると思います。そこまでできたらそうとうなもんだろうけど。でも、できそうだよね、この調子でいくと。希望を言えば、こね回すテクニックではなくて、シンプルなプレーで客を唸らせるようになってほしい。
1アシストを記録したあさみのプレーはすばらしかったね。その前にも、走り込んできた味方に合わせることを意識した折り返しを出していたので、イメージはできていたんだと思う。パスのもらい方もうまくなったんじゃないかな。
そういえば、みんなトラップが上達してたんじゃないか? 石川がイージーなボールを何度か受け損なっていたのが目立ってたくらいなだけのような気がする。トラップがきちんとできるようになると、パスを出す側も速いボールを蹴れる。そうだ、だからガッタスのパス回しがいっそうスピードアップしたように見えたんだな。
ぼくとしては、藤本が入った初戦の前半の攻撃が、いちばんおもしろく感じた。藤本も魅せるフットボーラーになってきたよね。足裏のバックパスで吉澤にシュートを打たせたプレーばかりでなくて、それ以外にもいい形をつくっていたもの。前から感じていたんだけど、藤本って自分がシュートを打つより、回りを使うときのほうが光るプレーをするよね。


紺野のチーム離脱は、やはりガッタスにとっては損失でしょう。
辻と切磋琢磨することで、二人とも伸びたわけですし。
紺野はPK戦で、自分の守る番が終わったのに、続けてゴールマウス前で身構えるということが、ついこないだまでよく見られました。おそらく練習では、何本も続けてシュートを受けるからでしょう。フットボールならではのルールというか習慣というか、段取りみたいなものがまだ染みついてなかったことがうかがえます。コーチから教わったとおりのことを試合で出してたんだわね。オシムじゃないけど、「練習でできなかったことがゲームでできるようになるはずがない」。それを逆の見方をすれば、試合であれだけのことを出せるということは、いかに練習を積み重ねてきたか、です。
正直なところ、反応や判断のスピードは、辻のほうが上だと思います。にもかかわらず、一時期は辻を押しのけて正GK的な扱いを受けるほどの安定感を身につけるに至った紺野のがんばり。それを失うのはもったいないけれども、その経験は、きっと次へ行くべき道でも、彼女の前を照らしてくれるんじゃないだろうか。
オシムの名前を出したので、その語録から。紺野へ贈る言葉としてぴったりだと思う。


日常生活の中で、平坦な道のりはない。上に上がっていくには何らかの危険を冒し、何かを犠牲にしなければならないのだ。