保田といえば……何?

保田が出演する舞台『夏ノ夜ノ夢』は、松竹的にけっこう推したい企画なのか、マス媒体を使っての告知やパブリシティを目にする機会が何度かありました。
四代目尾上松緑を起用して、不入りな芝居にするわけにもいかないでしょう。松竹と歌舞伎界は深い結びつきがありますし。まあ、それにしちゃ、東京・大阪あわせて1ヵ月という公演期間の短さが謎ですけど。


いきなりですが、保田は、本格的に芝居の世界へ進むためのいしずえにするつもりで、今回の舞台に勝負をかけてみたらどうか。劇評で誉められでもしたら、今後の芸能人生が変わってくるかもしれない。
「何でもできる人になりたい」という、彼女の掲げる指標は、それはそれで立派なのだが、下手を打つと「何にもできない人」になってしまう危険性も孕んでいる。
芝居でなくても、歌でも、バラエティのパネラーでも何でもいいが、そろそろ何か一つ得意と言える専門的領域をつくり始めてもいい時期なのではないかと思う。ていうか、つくってほしいと思う。
というのは、まあどーでもいい個人的事情なのだが、ぼくのハロプロ好きで保田のファンだという趣味を知った身近な人の反応が、まず間違いなく同じなのです。
「ええ? 何で保田圭?」
それはシブイですねと言う人もたまにいるが、意味するところは変わらない。ハロヲタではない一般の人にとっては、保田のファンになる理由がまったく思いつけないわけです。これが、たとえばドラマにときどき出ているとか、歌番組でたまに見かけるねとか、カーラジオをつけると声をよく聞くなあとか、何か納得できるような手がかりがあれば、話は別でしょう。
でも、現実はそうではない。世間の風はストレートに冷たいです。
ぼくも説明が面倒なので「同じ千葉県育ちだから」とか適当に答えてしまうんですが、保田といえばコレというものを一つつくってもらえると、そのへんの説明が非常にラクになるのになあと、勝手なことを考える次第です。