スフィアリーグに助っ人は必要か

来年1月19日にガッタスカレッツァが激突するエキシビジョンマッチは、20分ハーフでやるみたいですね(サンズ野田社長ブログより)。公式ルールに則った試合時間でやらせてみようというわけですな。
結構なことです。
いままで7分ハーフとか8分ハーフ、長くても10分ハーフでやってきたアイドルフットサルですが、対戦相手の研究が進み、技術も向上しているいまは、ちょっと試合時間が短すぎると思う。
とくに守備についてはかなり各チームとも戦術を徹底してから試合に臨んでいるらしく、確実性の高いポイントゲッターのいるチームでも、容易にゴールを割れなくなっています。
まあ、だから試合時間を延長しろというのも乱暴な要求かもしれませんけどね。
ワンデイ・トーナメントで開催するとなると、時間的な制約も大きいだろうし。



しかし、各チームの実力差が縮まってきて、とうとうチャクチャクがリザーブ落ちしてしまいました。主力選手が2人抜けても、そう大きな戦力ダウンにはならないんじゃないかと思ってたんですが、とんでもなかったです。
あと、やっぱり上手い選手が一人いるのといないのとではかなり違うという当たり前の事実にもあらためて気づかされた。
ガッタスも、アサイに苦戦するのは結局、山口を抑えられるか抑えられないかでしょう。一人で局面を変えられる実効プレーが可能だから、バイタルエリアにドンと構えられると、対戦する側もマークを意識したポジションを取らざるを得ないのかもしれない。つまり、一人が守備に引っ張られ気味になることによって全体のバランスが崩れ、攻撃時の選択肢も狭まる。だから点をやらない代わりに自分たちも点を取れなくなってしまう。あの準決勝でガッタスが追加点を奪えなかったのは、それゆえだろうかと思う。



話は少しそれますが、スフィアリーグって、スフィアリーグだけで完結したらいけないプロジェクトでしょ。女子サッカーとフットサルの振興および底辺拡大がもともとの趣旨としてあるわけで。
なりふり構わず勝つことをめざすのではなく、未経験者でもがんばって練習すればおもしろくなるんだよ、という成長物語を見せるところに、芸能人がフットサルをやる意義がある。
まあ、タテマエですけどね。でも、ビジネスを考えたら、そのタテマエを真剣に実践しているガッタスというチームがあること、そしてガッタスが安定的に強いことという事実は重要です。



芸能人にフットサルをやらせようと最初に考えた仕掛け人たちにとっても、おそらくは予想外だったでしょうけれど、ガッタスは本気で都大会への再チャレンジを目標に取り組み始めた。もしかしたら、東京都女子リーグへの加盟も考えているかもしれない。吉澤なんか、プロになる夢さえ見始めている。
彼女たちは本来、そこまでやる理由なんかないんですよ。あくまで「余技」なんだから。
だけど、もう単なるエキシビジョンでは満足できない、真面目にフットサルをやりたい、より上をめざしたいと主張したことで現在のガッタスがある。
だとしたら、サッカー協会としては絶対バックアップしたいはずなんです。ガッタスの行くところ数千人のサポーターがぞろぞろついてくるわけで、こんな確実性の高いビジネスチャンスはまたとない。
ガッタスが昨年の都大会で対戦した、それまで公式戦未勝利の高校生チームは「こんなに生き生きとプレーしている部員たちを初めて見た」と監督が目を見張るほどのパフォーマンスだったそうです。タレントなんかに負けるものかという意地もあったでしょうが、満員の観衆の目を意識して、プレーの質が向上したとも考えられます。興行収入の面だけでなく、フットサル界全体への、有形無形の波及効果も期待できるわけですね。



そうはいっても、スフィアリーグは「芸能人がフットサルをする」という特殊なリーグです。
ぶっちゃけ、下手なら下手で構わないんですよ。一所懸命やっている姿が伝われば。
そういう、いかにもアイドルの運動会的なチームがあっていいし、ガッタスのように都大会挑戦を目標に、強くなることを大前提としてチームづくりするところもあっていい。
どちらの方向性でも、フットサルは楽しめるスポーツなんだと知らしめることができれば御の字ってわけで。
だけど、勝利至上主義で闇雲にサッカー経験者をかき集めて、みたいな流れは、ちょっと違うんじゃないかと思う。日本国籍を持ってないブラジル人かなんかを、日本代表に入れるようなものではないか。やはり、芸能活動をしているという本籍はきちんとしたほうがいい。
もっとも、そんなフットサル助っ人が、充分にアイドルとして通用するルックスで、後付け的に人気が出るんだったら、それはそれでオッケーですけれどね。