60秒のラブストーリー

やぐちひとり映画祭』はけっこう楽しめた。
60秒シネマっておもしろいですね。いろんなことができそう。
45本応募が来たそうですが、番組中で紹介された作品は10本くらいでしたでしょうか。もうちょっといろんな作品を見たかった気がします。
矢口作品は小粋なヒネリを効かせてきれいにまとまってたと思う。
赤い糸という定番アイテムのストレートな使い方がかわいい。短時間で言い尽くさなければならない条件下では、あれくらいのわかりやすいオチで正解でしょう。
「Start」は、語感的には「Begin」のほうがよかったかな。
でも、矢口はクリエイティブ能力がありますね。自分のやりたいことがちゃんとわかっていて表現できている感じです。

春樹作品はシュールなブラックユーモア。
「春樹が出過ぎ」などと酷評されてましたが、いやー、あれはあれでオッケーなんじゃないすか。スクリーンの向こうにある狂った世界への案内人役が必要なのであれば、それはコメディアンの仕事でしょう。
劇団ひとりって、なんというか、ひねた文学青年っぽい。人のやることを斜め45度から突き放した視線で眺めて、わざと周囲をシラケさせることを言ったり、期末テストをサボって河原の土手で文庫本を読みふけっているような気取ったポーズが好きそうな感じ。実際はどうだか知りませんが。
ラブストーリーというテーマで、ああいう展開を思いつくところがブンガクっぽいなあと思う。