おもしろかったがショックでもあった日本教育白書

『たけしの日本教育白書』はとてもおもしろかった。
保田が出たから言うのではなく、番組としておもしろかったです。ついつい、最後まで見てしまいました。
おもしろかったけど、ショックでもありました。
前頭連合野かあ。おれ、こいつの働きがよくないんだろうなあ。子どもの頃から集中力がないし、論理的思考が苦手。頭がよくなる体操も、テレビに合わせてやってみたものの、なかなかできなくてイライラしました。
たけしの言った「創造的表現には数学の知恵が必要」という意見は耳が痛い。物語の見せ方のノウハウを因数分解の式で明解に説明して見せたのには打ちのめされた。おれ数学、大嫌いだもんなあ。道理で三流ライターの身分に甘んじなければならないわけだわ。


保田が担当した、子どもたちを学校へ通わせない決断をした、愉快なパートリッジ・ファミリーみたいな一家のレポートも興味深かった。
中学生くらいの年齢のお嬢さんが、敬語を使えているのに驚いた。アメリカではホームスクーリングがけっこう盛んらしく、そういう家は親がきちんと躾ができるので、子どもの礼儀がとてもいいそうです。
しかし、番組で紹介された一家の子くらいしっかりしていれば、ふつうに学校へ通わせても大丈夫だったんじゃないか、という気がしないでもない。義務教育をいっさい拒否するほど学校に不信感をいだいた原因って何だったんだろう。よほど重大な出来事だったんでしょうね。まあ、いまの学校が信用できないという気持ちもわからなくはないけどね。ていうか、いま学校よりも、親がぶっ壊れてるケースが多いから。自分の子どもにしか関心がなく、非常識な無理難題を学校に要求する親の問題に、頭を抱えている学校が増えているらしいです(学校に対する恐喝容疑で起訴された父親がどっかにいましたね)。


話はそれますが、歌手を目指すからという理由で高校を中退した保田に対し、よくも短絡的なことをしたもんだよなあと思ってたんですけど、21歳くらいで結婚して母親になって、という女性像が平均的である地方の町に生まれ育った女の子が、「高校の卒業を待って夢をかなえる活動を始めるのでは遅い」と考えるのもしかたないことかもしれません。
自分の人生を自分のためだけに使える時間が、あと5〜6年しかないわけです。その限られた日数のうちの3年も、高校に通うことで潰すのが、あまりにも惜しかったのでしょう。
若い子らしい性急さですが、15歳前後の年で、自分にはこれ以外にないという夢を持ち、その後の一生を左右するかもしれない決断を下せる気持ちの強さがすばらしい。ぼくも15歳当時は夢というか願望がありましたけど、とりあえず大学まで行って、ゆっくり考えようみたいな、呑気なもんでしたからね。