カラオケから自動販売機へ

ハロプロ全体をシャッフルして、自分の持ち歌でない曲目を次々と歌う、俗に“カラオケ大会”と呼ばれているコンサートの構成に対し、持ち歌は誰であろうと他人に譲らず本人に歌ってほしいとする批判的な意見をよく目にしてきました。いわゆる推しメンバーへの思い入れが強い人ほど、その傾向が顕著のような気がします。
ぼく自身は、コンサートという非日常の空間における祭りの演出として、意外なひとが意外な曲を歌う非日常性をつくり出し、その驚きと愉しさを観衆と共有しようとする試みは悪くないと考えている。もっとも、同じステージに立っているのに、自分たちの持ち歌を他の人が歌うというのも、考えてみればちょっと変かもしれないとはぼくも思います。

しかし、ハロプロに所属するタレントの曲はハロプロ全体の資産として扱い、任意のメンバーに歌わせるアイデアって、さらに広げれば商売になるんじゃないかな。
たとえば、ネット配信でならやりやすいと思うんだけど、「あなたの好きなメンバー構成で『LOVEマシーン』がリミックスできます」というコンテンツはどうでしょう。
好みのメンバーにチェックを入れて、ダウンロード・ボタンをクリックすれば、あ〜ら不思議、自分だけのオリジナル・バージョンができちゃう。具体的にどうすればそれが可能になるのかわかりませんが、デジタルの技術でできそうな感じしませんか。
なんだか、紙コップのコーヒーの自動販売機ふうではあるけれども。ミルクなしとか砂糖多めとかいうチョイスと同じような感覚でモーニング娘。を自由にしていいのか、それは著作権のある作品に対する一種の冒涜ではないかという気もしますけど、インタラクティブではあるでしょ。そーゆーの、好きな人は好きだと思うんですよね。やっていいことかどうかっていうのは別にしてね。