なぜいまそれを、な話

モーニング娘。のコンサートもたけなわというこの時期に、7月のハロープロジェクトのコンサート「夏の歌謡ショー〜'05 セレクション!コレクション!」東京公演についての感想を書きます。天の邪鬼だなあと我ながら思いますけど、事情があって、ずっとアップしそびれていたんです。このまま忘れてしまうのももったいないからね、せっかく書いたのに。

チケットは土曜の昼公演でした。会場となっている体育館、公共事業建築の雄・丹下健三が設計したこの歴史的な建造物を訪れるのは初めて。隣の敷地の、岸記念体育館なら仕事で行ったことがあるんだけどね。某元オリンピック選手の取材だったです。日本体育協会の本部があるところだから、日本のスポーツ界の指導的立場の関係者が出入りしているらしく、取材の折も小谷実可子さんを見かけた。背が高くてめちゃくちゃ美人。思わず見とれてしまいましたっけ。んなこた、どーでもいいです。

予定から30分遅れて入場。直前にロンドンの自爆テロがあったから、警備の会場チェックが厳しくなったのかなーなどと考えたのですが、もしかしたらPAの調子が悪かったのかもね。
前にも書きましたけど、生ハロプロ未体験の在宅系であるぼくが突如行く気になったのは、プリプリピンクが見たいがため。そんな四十路半ばの保田ラヴなおっさんが初めて見たハロプロのコンサートは、めっちゃ愉しかったです。
ほとんどブレイクなしで立て続けに披露される歌、歌、歌。
高い天井を突き破らんばかりに大音声のエールを送るヲタ、ヲタ、ヲタ。
いやはや、猛烈なドライブ感ですね。文字通りあっという間で、ラストナンバーでは「もう終わりか」と拍子抜けする思いでした。
保田の歌う姿を堪能したのは、去年のお台場の『フォークジャンボリー』以来なもので、なんかちょっと、ドキドキしちゃった。あと、中澤裕子を初めて生で拝謁できたことに感動した。最初は中澤さんのファンだったもんで。眼に引力がある人ですね。彼女が客席を振り仰ぐと、その視線が自分にひたっと向けられているんじゃないかという錯覚を起こさせる。
それと後藤真希が別格のオーラを放っているのに驚嘆しました。すごいやつだ。
花道で、是永美記が踊っているのにも気づきました。ただ、まさか本人とは思わず、「似た子がいるんだなあ」と。あとで知って、びっくりしました。

“再結成LOVEマシーン”は、ある意味このコンサートの目玉。少なくともぼくは、プリプリピンクの次にそれを楽しみにしてきました。そこに矢口がいないのは画竜点睛を欠く感が強いけれども、中澤や保田、後藤、石川らがものすごくうれしそうに歌い踊っているのを眺めているうちに、これはこれでええやん的に納得しました。

必ずしも自分の持ち歌を歌うわけではない“カラオケ大会”ふうの構成が、賛否両論あるようですけれども、これは誰々の歌と、帰属性をくっきり明らかにさせるのではなく、すべての曲はハロープロジェクト全体の資産として扱う方針なのでしょう。モーニング娘。自体が、昔とはまったく違うわけだから、どっかでいちどリセットして、再構築する作業が必要だろうし、派生ユニットの多くは休眠中という状況のなかで、あまり持ち歌主義に拘泥すると、歌は残っているのに、歌い手がいないってことにもなる。“カラオケ大会化”は、過去のすぐれた資産(曲)を歌い継いでいくための、やむをえない措置。ハロプロ的プロパティマネジメントです。曲ごとに聞く側の思い入れはそれぞれあるでしょうけれど、それはそれで、別の楽しみ方を見出していくしかないんじゃないかと思いますよ。

しかし、当日のPAは酷かったです。ぼくの席の位置が悪かっただけとは思えない。音が割れてるし濁ってるし、ボーカルの音がマスキング気味になってて奧へ引っ込んで聞こえる。しかもイコライザーでいじったかのように高音域に寄ってしまって、不自然。最後はハウリング起こしてたしなあ。あれではステージで歌っている人たちが可哀想だと思った。

終演後、グッズ売場を冷やかしてみたものの、とくにほしいものもなく。生写真とか買っても、おっさんにはどうしようもないのです。