新メンバー加入に思うこと

新メンバーって一人だけなんだ? 少ねえじゃんとか思っちまった。しかしこれで正解でしょう。4人単位の増員は明らかに増やしすぎでした。知らない顔が一気に増えると、脳細胞の半分が死滅しかけ、残りの半分はもともと存在しない中高年の記憶中枢が悲鳴を上げることになり、たいへんな負担です。来年の税金の申告で消費税をどうやって払おうか、いまから頭を痛めていますが、それに近いくらいの悩みといえます(嘘)。

しかし、新メンバーが加入したからといって、モーニング娘。が劇的に変わることはないでしょう。この久住小春という子の能力に疑問を持っているのではなく、誰が入っても同じ。矢口真里が電撃脱退したにもかかわらず屋台骨が揺らがない安定感を獲得した代わりに、何の誰兵衛が参加しようと大きな化学的変化は望めなくなっているのではなかろうか。もっと率直に言うと、曲づくりやプロデュースをつんく♂氏に一任している以上、つんく♂さんがトータルデザインを変更し、新しい方向性を打ち出さなければ、娘たちも変われないと思う。地盤の脆弱さがあるとすれば良くも悪くもプロデューサー次第であるところ。新陳代謝させるのは、娘だけでなく制作陣にも必要な考え方かもしれない。『大阪 恋の歌』も聞きましたが、いかにもつんく♂ワールドだなというサウンドプロダクションで、目新しさは感じませんでした。

ただ、誤解しないでいただきたいのは、モーニング娘。がもはやダメなグループになったと言いたいわけではないこと。メジャーリーグで通用する力はまだ充分にあるし、ダンスも上達してるし、CDの売上だって健闘していますよ。これなら、タレントになりたい子を持つ親も、安心して送り出せる就職先じゃないかと思います。
熱狂する人は著しく減ったかもしれないが、それは存在が日常の風景になったから。スーパーマーケットにたとえれば、店頭の目玉商品コーナーには並んでないけど、生鮮3品か総菜コーナーみたいなもの。あまりにも平凡で話題にならないけど、誰でも必ず陳列棚を覗き込むし、別の目的で来店したとしても、1品や2品はカートに放り込むでしょう。
ホウレンソウや長ネギや豚バラ肉のことを日がな考えながら生活している人がほとんどいないのと同じく、モーニング娘。は、当たり前すぎて興味を持たれなくなっているのです。
確かに、世間は飽きている。でも飽きられるまでやれるのって、ある意味、勲章ですよね。ここまで続けられたことは大いに誇っていいはずです。しかも、デビューからブレイク期を支えたメンバーが一人も残っていない状態で、ですよ。
オリジナルメンバーが全員辞めたのにグループ名だけ存続している例で、ぼくがすぐ思い浮かぶのはPOCOとかCHICAGO*1ですか。シカゴは今年に入ってベスト盤やコンピレーションアルバムが出てますが、まだ活動してんのかな? ポコはライブのDVDを出したり、まださかんにやっているようですが。中高年ミュージシャン、やたら元気ですわ。そういえばリッチー・フューレイがゲスト参加したみたいです。
いやまったく、継続はパワーなりです。

*1:2009-8-5/修正しました。シカゴはジェームズ・パンコウ、ロバート・ラムなど、オリジナルメンバーが大勢残ってますので、この文脈は間違いです。何を考えてこんな出鱈目を書いたのだろう?