あの頃の娘たち

やぐちひとり』は、もしかしたら何かあるかとも思いましたが、見事に何もありませんでしたね。
やはりいま視聴者にメッセージを発信するどころの心理状態ではないかなあ。てのもあるだろうし、事務所から「しばらく有休を消化してろ」と言われたのかもしれません。

あっ。よく考えたら、ぼくが個人的に関心のあるメンバーは、矢口真里を最後に全員がモーニング娘。を辞めてしまっているんだな。これ以上ないほどいまさら何を言ってるんだ的シチュエーションですが、いま気づいた。
これはもしかして、本格的にモーニング娘。から“卒業”するときがきた、ということか?

ぼくはもともと立ち上がり期のモーニング娘。が好きで、その流れから保田圭ファンになったため、モーニング娘。について語ろうとすると、どうしても「あの頃のモーニング娘。はよかった」調の話法になってしまいます。
といっても、いま現在のモーニング娘。を否定はしませんよ。けれど、以前ほどの興味がわかないことも確か。なぜかというと、早い話が、胸が躍らないのです。国民的人気を獲得し、頂点を極めていく過程で、角が取れてしまったように見えてしまう。やっぱり、誰からも愛されようとするとそうなります。一般大衆の支持を得るためには、あんまり異端児的にとんがった部分はないほうがよかったりしますもんね。
だけど、いわゆる2期メンバーが加入した頃までの娘は、“わかってくれる人にだけウケればいい”という姿勢でやっていたと思うんですよ。もともと番組タイアップの企画物グループとして出発したわけだし、一時的にでも話題になりさえすればよかった。それだけに思い切ったことがやれたんだと思う。サッカーの「勝っているチームはいじるな」という格言ではないですけど、メジャーデビュー曲がそこそこ売れたグループに、いきなり新メンバーを加えるなんて、ふつうはありえない。その、ありえないことをやってのけてしまうくらい大胆に遊んだからこそ、モーニング娘。は、ぼくみたいないい年こいたオッサンの目にもおもしろく映ったんだと思います。
もう一回、おもしろいことをやって見せてくれと望むのは贅沢ですかね? 飯田や矢口、保田、中澤、安倍……全員ソロになった「あの頃」の娘たちに。