春の風にお願い

歌以外の仕事で自分の世界を広げていくことに関しては、まったく正しい方針だと思います。あ、唐突に始めてしまいましたが、保田の話ね。だけど、やはりなるべく早い時期にソロCDを出してほしいなと願う気持ちは、ぼくのなかではすごく強いです。
保田がソロで歌うのを聞く機会は、これまで数少ないながらもありました。しかしそれは芝居の挿入歌だったり、懐メロポップスを聞く会だったりで、それらはヒットチャートの順位、あるいは売上枚数というシビアな評価は受けない仕事でもあったわけです。
保田の歌唱力はかなり高いレベルにあることはよく知りつつも、トータルな意味での能力というか実力というか売れる可能性というか、そういったものが実際のところどんなもんなんだろうと、それがまったくわかってない状態なんですよね。もちろんチャートや売上がすべての評価を決める尺度にはならないと思いますが、有力な手がかりではあるはず。一回CDを出してみて、結果がどうなるかを見てみたい気がしています。
もっとも、セールス的には散々だった、みたいな結果であっても、希望を捨てはしません。

よく言われるように、歌が上手いだけで売れるほど、歌手の世界は甘くない。保田も、歌の実力だけの裸の勝負となると、判断が難しい。保田の歌声って、変な癖がなくて聞きやすいのですが、逆に「フックが乏しい」という見方もできるかもしれない。音域も、高音部がちょっと弱いですわね。ただ、独特の艶のようなものがあって、これは強味になるんじゃないかという期待もあります。
というか、その前に歌のメロディや詞に人を惹きつける力があるかどうかが重要だったりしますから、どんな歌を歌うのかさえ見当もつかない現時点で、声がどうのとあれこれ語ってもしかたないのですけど。ぽりぽり。
でも、売れなければ何も残らない歌手やアイドルもいるなかで、保田はそうじゃないと思う。仮に大きなヒット曲に恵まれなかった場合でも、玄人好み的な、ボーカリストとしての定評は築けると思うし、それくらいの地力はあると思う。
そこで肝心の歌づくりなんですけど、誰かにつくってもらうのか、あるいは自分でつくるのか。なんか、作曲用の機材を買ったとか買わないとか、その手の発言をちらっと漏らしたりしているわりには、具体的な形がちっとも出てこないんだよな。事務所がタレントのクリエイティブを信じてないのか、それとも外へ出せるほどのものが仕上がってないのか、事情はわからないけど残念ですよね。そういうのも含めて、いっぺん、われわれ受け手に評価させてみてほしいと思うのです。