がんばって、安倍さん

周りの大人たちは大目に見てやるつもりなどなかったですね、無理もないですけど。

文字表現の剽窃という、分野としては自分の職業と関わってくることだったので、つい、ぼくもちょっと思うところを書き連ねてしまったのですが、無関係の第三者がわいわい騒ぎすぎると、安倍さんも出るに出られなくなってしまうんじゃないかと、その点が少し心配でした。その意味で、早い段階で謝罪を発表できたのは、よかったと思います。
だって、これは「謝って済む問題」でしょう? 真似された側は気持ちいいものではないし、法律違反に相当する事実ではありますが、安倍さんがその詩で印税を稼いだわけではなく、特定の組織が収益を上げることに直接的な協力をしたわけでもない。誠意をもって詫びる気持ちが伝われば、「まあ、次からは気をつけてくださいよ」で一件落着させられることです。こんな言い方をすると語弊がありそうですが、要は、権利保持者の誇りを傷つけないよう正しく対処しさえすればいい。

安倍さんには盗作している認識がなかったのは本当だと思います。バレなければOKという確信犯的行為だったとは考えにくい。もしそんなつもりだったなら、YUKI小室哲哉といった露呈するリスクの大きい大御所の作品は避けたはずです。
とはいえ、結果的に他人の作品を真似てしまったのですから、その罪を公式に認め、謝罪するのは当然。あとは当事者同士の問題であって、第三者としては何も言うことはない。
もし安倍さんがあなたの親戚の子どもかなんかだったら、「ははは、やっちゃったねー。ま、あんまり気にしないこった。これからは社会人らしくしっかりやりな」と、頭をくしゃくしゃっと撫でて終わりにするのではありませんか?
どうか、もう許してあげてください。ファンがショックを受けるのはよくわかりますが、今後の安倍さんを支えていけるのはファンの声援以外にない。安倍さんはこの一週間さぞつらかったろうし、このあともっとつらくなるかもしれないわけですから、失望して沈黙したりせず、「応援してる。がんばれ」と声をかけてあげてほしいと思います。