「ALL FOR ONE & ONE FOR ALL」

ハロプロ・オールスターズの「ALL FOR ONE & ONE FOR ALL」というタイトルは、ラグビーの基本精神とされる格言からの流用でしょうか。ひとりのために残りのすべてが一体となり、個人はチームのために存在するという、チームスポーツの極意を端的に言い表しているわけですが、ハロープロジェクトのタレント集団の歩みをひと言でまとめるにふさわしいフレーズではないかと思います。
とくにモーニング娘。の創設期を知るメンバーたちにぴったり当てはまりそうだな。いちばん蹴落としたいライバルを、いちばん大事な仲間として見なくてはならない、人間関係のドラマが青白い炎を上げた時期を乗り越え、どうやら本当に仲良くなってしまったらしい彼女たちには、「かつて野球部で白球を追った朋輩」とか、「銃弾をかいくぐって戦場を駆けめぐった傭兵同士」とか、「マグロ漁船で同じ釜のメシを食った仲」とかに似た、利害関係を超えた、汗くさい友情がありそう。そういう部分が、多少文学的素養のあるヲタをカップリングだの娘小説だのに熱中させるのでしょうね。