昔の娘って楽しかったですよね

連休中、紀伊半島へ旅に出ておりました。片道10時間以上もクルマを運転する旅なので、自分で編集したMDを何枚か携帯し、延々と高速道路を走るだけの単調なドライブの退屈を紛らせたのですけれども。
モーニング娘。(初期)、タンポポ(3人時代)、プッチモニ(保田在籍時代)も通して再生したりしました。まとめて聞くと、いうまでもないことですけど、当初この三者には、音楽性の違いが明らかにあったことがよくわかります。音楽性というより、仮想ターゲットの違い、でしょうかね。「仮想」とわざわざ断り書き的につけたのは、現実の話として、三者にファン層の違いがあったとは思えないからです。
ただ、それぞれの路線をそれぞれに続けていったとしたら、どうなっていたかわからないな、とも思います。とくにタンポポ加護亜依石川梨華の加入以降いきなり対象年齢が下がってしまったのが残念。もっとも、それで念願のオリコン1位を獲得したのですから、結果論的には「いい転換だった」のでしょう。モーニング娘。のファンは、「アダルトなテイストを求めていなかった」証明でもあります。しかし(と前の文を否定する接続詞がいれこになって汚い文章になっちゃいますけど)、オリコン1位が獲れなくても、音楽の質がよくないのかといえばそんなことはないのも事実。話はちょっとそれますが、チャートの上位10曲から20曲くらいは、ドラマやCMとのタイアップによる多面的な露出で売れている場合がほとんどです。金を遣ってるから売れている。
もちろん、タイアップするバリューがあるとスポンサーに納得させるだけの能力があるアーティストだから、おかしな曲はつくりませんよ。レコード会社もプレッシャーをかけるし、良曲を生み出すシステムがうまく回転しているからこそ、タイアップ曲は売れるわけです。
その一方、メガヒットする曲だけが評価の対象たり得るものではありません。タイアップもなく、プロモーションの費用もきわめて制限された、いわば裸一貫の曲がチャート20位代に入ったなら、それはそれですごいことだし、現に20位から30位あたりにいる曲がとてもいいという例も少なくないのです。
商業音楽は順位が大事ですがすべてではないということ。モーニング娘。の「ふるさと」を失敗作だったと位置づけるのもやめませんか(チャート5位になって17万枚売れた曲の、どこが失敗作なんだ)。あー、ええと、何が言いたいのか自分でもよくわからなくなってきましたので、そろそろこの話をまとめると、タンポポは、そういうチャートの順位に関わりなく良質な音楽を提供していくユニットに育ててもおもしろかったんじゃないか、と。ていうか、そろそろモーニング娘。自体もチャートの順位で判断されるとつらくなってきてますけれども。たとえセールスが伸びなくても、いい曲を発表している限りは応援しましょうね、皆さん。変なまとめになっちまったけどまあいいや。
それはともかくとして、運転中MDを聞きながら、保田圭に対して思ったのは、モーニング娘。時代の、仲間たちとリレーボーカルで歌い継いだり、ハモったりしている楽しそうな保田圭がもう一度見たいなあ、ということ。ソロワークが悪いといいたいわけではないんですが、モーニング娘。は、とくに初期のメンバーたちは、歌に限っては、「集団のチカラ」にこだわり続けてもよかったという気がしてなりません。
あー、モーニング娘。を卒業したOGの受け皿となるユニットがあったら……。
安倍なつみのツアーに、中澤裕子保田圭がサポートアクトとして同行しているのは、もしかしたら事務所側も「ソロとは別に、グループでやらせる何かを用意しとくんだったなあ」みたいな悔いの現れではないか、などと邪推してみたり。いや、おねえさん方が「またやろうよ」的な発言をぽろりぽろりとこぼれ落としている昨今、マジであるかも。この日記ではそればっかり言ってて進歩がない感じですが、期間限定でもいいから、ぜひやってくれと思います。