新しい段階へ

■延々と引っ張る話題でもありませんが


保田圭フォークコンサート」について、書き漏らしていた小ネタを思い出したのでもう少し書かきます。もういいかげんにしろ? 済みません、これが(たぶん)最後ですから。

MCで、「アイドルが『好きな食べ物はパフェです』とか言わなければならなかった時代の歌という感じがします」みたいなことを保田が(どう表現したか、細かいところを忘れてしまいました。たぶん意味的にはそんな内容だったと思います)言いました。客席の保田ヲタにとっては、待ってましたという状況でしょう。緊張感に縛られながらも、自分の得意領域へ出て行こうとした意欲は買いですね。誰かがエサを撒いてくれるまで待っていては、なかなかチャンスはつくれません。ときには、エサを撒かせるように仕向けるよう積極的に仕掛けていくことも必要です。
ただ、惜しむらくは坂崎幸之助らが相手では、「アイドルではないのにアイドルとして扱われようとして突っ込まれる」という持ち味が発揮しきれません。坂崎さんは保田を「意外と歌が上手いアイドルだ」くらいの位置づけで捉えている。それもそのはず、彼女がヨゴレキャラ、笑われ役担当のキャラでやってこれたのは、「ハローモーニング」などのハロプロインナー的な番組やライブ、それと「うたばん」「Matthew」だけといってもよく、一般性は著しく低いのです。
さて、その保田の振りがどう発展したかというと。
「へー。いまのアイドルは違うの?」
と受けてくれた坂崎さんに対し、保田は
「違いますね。私は『焼肉!』とか言ってましたし」
と答えます。
ここで、「それはキミだけなんじゃないの?」などと返ってくれば、われわれの見慣れた保田の世界が広がったのかもしれませんが、単なるつなぎの会話が成り立てばいい場面に過ぎず、とりたてて笑いで盛り上げる必要があったわけではありませんでしたし、ヲタが「ホルモン」だの「ハラミ」だのと保田の好物メニューをがなり立てて話の腰を折った形になったこともあって、話題は次へ移ってしまいました。
ただ、こうも思うのです。
もしかしたら、保田自身、ヲタの反応を見て「この話はこれ以上広げるのはやめよう」と考えた可能性もあるのではないか、と。

彼女が今後相手にしなくてはいけないのは、もうヲタ以外の人々なのです。
立ち位置がいつまでもヨゴレキャラとかローカルなフィールドであってはいけない。
「説得力のある歌が歌えるシンガー」としてのポジションを確立するのが先ですから。いわゆる「うたばん」的な世界構築を期待するのは、ファンの側も、やめるべきだと思います。ああいうキャラ立ちって、変化球みたいなもので、変化球を生かすなら、その前にストレートのコントロールを磨かなければならないわけじゃないですか。
保田は歌(もしくは芝居)という王道的な地盤をしっかり固めてほしい。
キャラ立ちだのなんだのは、それからです。