5月19日「Matthew’s Best Hit TV」

今月は「ダブルユー」販売促進強化月間と位置づけられているらしく、辻加護のテレビ出演ラッシュであります。
19日の「Matthew's Best Hit TV」を見ていて思ったのですが、グループからの離脱は大正解ですね。「モーニング娘。の」という冠は、ふたりにとっては足枷でしかないかもしれません。
自由奔放というか野放図というか自然児というか暴れ馬というか、予想のつかない言動が幼稚さから来る協調性の欠如に見えたぼくは、このふたりはプロフェッショナリズムとは対極のポジションにいると判じていました。放課後の教室なら許されるかもしれないが、テレビに出ていいレベルのタレント性ではないぞ、と。
ところがミニモニ。から矢口が卒業したとたんに自覚が芽生えたのか、しっかりしたところを見せるようになり、ぼくも彼女たちに対する考え方を変えたのですが、しかしそれにしてもモーニング娘。を構成するパーツとしてではなく、ダブルユー単体で出演する辻加護がこれほどまでに違った見え方をするとは。ある意味、ショッキングでした。
これはマシュー南藤井隆)が辻加護の目線に降りてきて、正面で受け止めてくれたおかげでもあります。ふつうは、「付き合いきれん」という態度になるのが、辻加護を迎えた大人たちのスタンダードな反応なので(あるいはタモリのように、「かわいいなぁ」とひたすらニコニコしている、孫を眺めるお祖父さんのごとき慈愛の表情となるか)、萎縮したり遠慮したりする気持ちがあったのでしょう、披露する「辻加護的世界」はどこか中途半端でした。
だから、ぼくは初めてでしたね、持ち味を出し切った感の漂うふたりを見るのは。
動くおもちゃ箱です。存在自体がスラップスティック・コメディです。実写版「トムとジェリー」です。高回転で回るエンジンのなかに頭を突っ込んでいるようにやかましく、サーカスのピエロが団体で浅草サンバカーニバルに参加している風景を思わせる滅茶苦茶ぶり、非現実感。すげえです。
本当の脱退はまだ先ですが、もういいんじゃないか、夏まで待たなくても、いまの勢いのまま行っちゃったほうが得策では? と思いました。