保田のポジション

■「うたばん」と娘と保田
「うたばん」はモーニング娘。に対し、ゲームや外国人タレント集団?と絡ませるなど、たいてい何らかの企画をぶつけて、おもしろさを引き出してきました(のはモーニング娘。に限らないのですけれど)。いまでもその流れは踏襲されてはいますが、いかんせん、かつてより格段に扱いが小さくなっている点は否めません。5月6日放送の回も、登場は番組後半の15分ほど。喋ったのは藤本、高橋、吉澤、そしてリーダーの飯田のみにとどまり、ひと言も喋らないどころか単独のアップショットを抜かれることもないメンバーがかなりの数にのぼる寂しい編集になっていました。併せてブッキングされた大沢逸美杉浦幸ら<元アイドル>が実質的な企画のおいしいところになっている有り様。保田を愛していたのは間違いない「うたばん」スタッフに、保田のいないモーニング娘。なんて……、という心理が働いていたりするのかな、などとちらりと思ったりしてね。そんなセンチメンタリズムだけで番組をつくったりはしないか。
にしても、杉田かおるを再リリース企画で弄ったコーナーが抜群にできがよかっただけに、モーニング娘。の昔日の勢いを失っている感がなおさら漂います。杉田さん、さすがにキャリアが違いますね。ふつうに喋っているだけでも爆笑を誘えるんだからかないませんわ。
確かにモーニング娘。には、素材としての新鮮みがありません。メンバーチェンジを繰り返してきているとはいえ結成7年目を迎えたグループは立派なベテランです。がむしゃらなアピールが必要な成長期はとうに終わり、ライフサイクル的には成熟期に入ってます。
そんなモーニング娘。の場合、たとえばサザン・オールスターズのように、幅広い世代、多様なファン層に届く商品ではない以上、全方位的に訴求するのは無駄な努力になりかねません。それよりも既存の固定的な市場にターゲットを絞って仕掛けていくほうが確実性が高く、効率がいい。ということで、マネージメントする側も、「うたばん」などトーク番組への出演は新曲告知の機会としてしか価値を感じていないのかもしれないです。だから「この子たちメインの回もつくってよ」なんてがっついた申し入れも、言おうと思えば言えるけど、あえて言わない、みたいな話かも。

でもねえ、中澤や保田といった、石橋貴明らMC陣にヨゴレ扱いされて光るメンバーがいないのは事実で、どっちにしろ子ども相手じゃテンションの上がるようなツッコミもやりにくい。ていうか「うたばん」、強いてヨゴレキャラをつくろうとしてないでしょ。それ的な弄られ方をする人は、大沢逸美みたいに外部から連れてきたりしてさ、どうも保田に「ポジション空けて待ってるからね」とエールを送ろうとしているような気がしてならないんですよね。