読んだ読んだ

先月末、注文しておいた『スピリッツ・オブ・ガッタス2007』が到着。早速ひもとく。


2005年に出たVol.1と比べて、人数が減った分、一人ひとりのインタビューがより丁寧になったという印象。フットサルとはやや離れた、本業である芸能のお仕事に、ガッタスの活動で得たものがどう活かされたか、あるいはメンバー間のトラブル、といった立ち入った部分まで突っ込んで聞いています。もちろん、ストレートに語られたであろう言い回しはかなりオブラートにくるんで和らげていますが。
一方、“伊部塁節”とでも呼びたい、対象をヒロイックに持ち上げる姿勢はますます磨きがかかり、いささか鼻につくところも感じないではない。であるものの、それくらい全身ガッタス愛に染まったインタビュアーでなければ聞き出せないこともあるのは確か。フットサルの技術書ではなく、アイドルのルポルタージュでもなく、「フットサルを楽しむことで自分の中にどんな変化が起きるか」を、アイドルの言葉を借りて伝えるのがこの本の目的であるわけで、その芯にブレはいっさいありません。
フットサルの普及というガッタスのコンセプトにぴったり寄り添ったプロパガンダ・ツールとしても優れているし、趣味としてフットサルを楽しみたい人へ向けて、これほどわかりやすくチームスポーツの魅力を伝えている書籍も、ちょっと類がない……といったら誉めすぎかもしれないが、ぼくは「良書」だと思いますね。
お互いにいい面も悪い面も理解し合った、信頼すべき友人がつくれる、苦手だった人に心を開いてつきあえるようになる。こういった濃厚な人間関係を土台にした人格形成は、意図しなかった副産物だったかもしれませんが、いまやガッタス・プロジェクトの柱ともいうべき重要なテーマになっています。
コミュニケーション下手な子どもが増えているという昨今、この面でもガッタスは、何か伝えることができるんじゃないかと思います。