グッドウィルカップをテレビ観戦

さすが辻ちゃん
1.8mの高さって、そうとわかっていても飛び降りるのはけっこう心の準備がいります。人間の目はかなり上のほうについてますから、身長1m50cmだとしても、3mほどの高さから下の地面を見ていることになる。
それがああた、足を踏み出したらそこに何もなかったと知った瞬間、咄嗟の判断で自ら飛び降り、足から着地することで怪我を最小限にとどめるなんて、凡人にできる芸当ではありませんや。


グッドウィルカップの放送は、全部につきあう時間がなかったのでガッタスザナドゥ戦だけ見ました。
ガッタスはいつもより運動量が豊富だったような印象。全員で攻め、全員で守る意識が徹底されていたと思います。里田や柴田がかわるがわる飛び出し、いつも以上に激しいポジションチェンジで攻め込みますが、さすがに技術の高い選手をそろえるザナドゥの守りは堅く、ほとんどシュートまで至らない。
ザナドゥは中盤を絞って、ガッタスのクサビのパスを警戒。GKからのロングスローにも対しても競り勝ち、ガッタスに起点をつくらせません。また、高い位置からプレスをかけ、ミスを誘ってボールを奪うと、2ゴール決めてしまいました。
試合内容は、はっきりいってザナドゥのペースだったね。ガッタスもサイドから崩そうとしたり、ダイレクトで早く回そうとしたり、いろいろ試みていたようでしたが、一歩及ばずという感じで。
ただ、圧勝とか完敗とかいうほどの差ではないと思う。ガッタスが早い時間帯に1点返せていれば、どうなったかわからない試合でもあったかなあ。前半、サイドを突破したあさみのセンタリングに柴田が間に合っていれば……とか、後半、是永が得意の位置からハーフミドルっぽいシュートを何本か打っていたうちの1本でも決まっていたら……とか、つい「たらればの話」をしたくなるが、これをいつまでも「たらればレベル」にしていては成長できません。決めるべきチャンスにきちんと決める確実性を、ガッタスは身につけていく必要があるでしょう。


ガッタスは1戦で終わってしまいましたが、臨時キャプテンの柴田がよく頑張っていた。
あいかわらずミスが多く、悲劇的なくらい鈍足なのは神様を恨むしかない弱点だが、キープ力に若干の向上が見られ、積極的に攻撃に絡んでいたようです。相手のディフェンスにごつごつ引っ掛かりながらも粘って抜いていく、障害物競走みたいなドリブル(といえるのかどうか知らないが)を披露。以前はよくやっていた「ボール、どうぞ」みたいな遠慮がちな、ゆえにカットされやすい危険なパスもなかった。
このように、ちょっとずつ成長していく姿を見るのが楽しみなんだよね。


いまのガッタスでいちばん一対一に強いのは、みうなではないか、というのは冗談としても、ザナドゥ松本とのマッチアップでも負けてませんでした。ドリブル大好きになっちゃったもんだから、やや持ちすぎになっている部分もあるけど、いったんボールを下げて、自分は前のスペースへ走り込んでいくといった、意図のある動きもふつうにできている。この子はもっとうまくなると思う。
ワールドカップも熱心に観戦していた様子ですし、サッカー関連の本もよく読んでいる。「WEBサッカーマガジン」の連載コラムに、パウル・ブライトナーの名前を出してきたときは仰天しましたよ。シブっ。つか、すっげー久しぶりに聞く名前なんですけど。74年のワールドカップで、地元西ドイツの優勝に貢献したサイドバックの選手です。


あさみは切り返しのフェイントをマスターしてほしい。
直線スピードを警戒されているだけに、いっそう有効でしょう。それかクライフ・ターンだな。
味方がシュートを打つときは、ほぼ必ず逆サイドへ詰めている。そこにパスが出ればラクに1点ものだが、ほとんどパスが出ない。タイミングなのか、ポジションが味方から見えにくいのかわかりませんが、もっと激しく要求してもいいと思う。


是永はいまひとつキレを欠いていたかも。ボールが足についてない感じでした。
開始早々、相手との接触で傷んでましたが、その影響でしょうか。
里田はよくないボールの奪われ方をして失点を招いたものの、動きの質は悪くなかったです。
そして紺野。2失点はしかたがないでしょう。最後のゲームを最高のセービングで締めくくれたのでは。クリアランスで投げるボールがことごとく相手ボールになってしまったのが、ちょっともったいなかった。まあ、相手が高い位置からプレスをかけてくるので、セイフティ優先の意味もあったのだと想像します。
3年間、お疲れ様。